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2016年8月9日火曜日

あなたの敬語、間違っていませんか?

 皆さまも、学校で敬語について習われたと思います。以前は、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類に区分していました。しかし、謙譲語の一部が丁重語に、丁寧 語の一部が美化語に細分されたのは、記憶に新しいかと思われます。ところで、尊敬語と謙譲語の使い方について、わりと誤解している方がいらっしゃるような ので、その定義について書きたいと思います。
 よく耳にするのが、自分のすることは謙譲語、相手のすることは尊敬語という簡単な使い分けです。しかし、前の段落の「誤解している方がいらっしゃる」と いう一節では、「いらっしゃる」という尊敬語によって私が敬意を払っているのは、「誤解している方」であり、読み手である「皆さま」ではありません。(も ちろん、皆さんの中には、誤解されている方も、誤解されていない方も、両方いらっしゃるでしょうが、そこは問題ではありません。)このことからも、先ほど の簡単な使い分けが通用しないのが、皆さんにもお分かり頂けたのではないでしょうか。
 では、どのように敬語を使い分けるかと申しますと、まず、敬語は言葉ですから、おのずと話し手(書き手)と聞き手(読み手)が出てきます。聞き手に敬意 を払いたい時には丁寧語を使います。そして、この2者の間で話題に上っている人・物について、尊敬語と謙譲語を使い分けます。
 話し手が「Aが、Bに対して、○○する。」と、聞き手に話すとします。AもBも、人かも知れませんし、人ではないかも知れません。ここで、話し手がAに 向けて敬意を払いたい時には尊敬語を使います。多くは、Aが聞き手、又は聞き手の関係者の場合に尊敬語を使うことになるでしょう。しかし、先ほどの例のよ うに、Aが全くの第三者の場合もあります。また、例えば、話し手と聞き手が同僚で、Aが2人にとって上司である場合に、尊敬語を使うこともあるでしょう。 例外的ですが、自尊心の強い話し手(日本では、お殿様くらいでしょうか)が、Aが自分の時でも尊敬語を使うかも知れません。
 次いで、話し手がBに向けて敬意を払いたい時には謙譲語を使います。謙譲語はAをへり下らせてBを持ち上げるので、多くは、Aが話し手、又は話し手の関 係者(話し手にとっては目上の人かも知れません)で、Bが聞き手、又は聞き手の関係者の場合に謙譲語を使うことになるでしょう。しかし、Bが全くの第三者 の場合もあります。例えば、「宮内庁職員が天皇のお言葉を伺いました。」等です。また、Aが聞き手の場合もあります。例えば、上司が部下に、「○○さんが 社長にお茶をお出しして。」と言う時などです。
 いかがでしょうか。だいぶ長くなってしまいましたが、ご理解頂けましたでしょうか。この文章を読んで下さった方が、正しく敬語をお使いになることを切に願っております。ここまで、お読み下さり、ありがとうございました。
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