更に『#KuToo』から色々考えさせられたので、ちょっと書きたいと思います。
まずおさらいから。
この問題は、葬儀屋でのバイトで、『何故足を痛めるようなパンプスが強要されなければならないのか?』という話から、『女性差別』だったり『パワハラ』だったり、とにかくおかしいという話になっているというものです。
そしてこんなのは無くすべきだという所ではないでしょうか。
差別に関しては、昨日『完全否定の記事』を書きましたのでそちらを読んでください。
さて、この問題を解決するには、TPOに関する風潮を変えるか、その為に或いはそんな健康被害の出るようなものを無くしてしまうしかないのではないかと思うわけです。
『いやいや、無くさなくてもいいだろう』と思うかもしれません。
でも、選択肢が有れば、それが最も適していたら選ばれる可能性があるわけです。
当然です。
例えばスーツを着て営業に行くのと、アロハシャツで営業に行くの、どちらが受け入れられるでしょうか。
どちらが多く成果を上げられるでしょうか。
おそらく今の風潮から考えれば、スーツの方が良い訳です。
そしてどちらかを選べるなら、会社としては当然スーツで行くようにと決めるでしょう。
あたり前です。
そちらの方が利益を上げられるのですから。
私がいくら『肩が凝って頭が痛くなるからスーツは止めてくれ』と言っても無駄なのです。
売り上げに響くのですから、頭痛を我慢するのも仕事となるのです。
そして今、スーツの人の方が信頼できるとか、そういう感覚、風潮というのはあるわけで、それを変えるとなるとなかなか難しいですよね。
変える方法として確実なのは、それの存在を無くす事しかありません。
スーツというものが存在せず、選択肢になければ、それを選ぶ事はできないのですから。
逆に存在してしまうと、TPOにそれが一番合ってるならどうしてもそれを選んでしまいます。
女性のパンプスというのは、歴史を調べてみると主に『ファッション』の為に女性に受け入れられたもので、特に誰かから強制されたものではありません。
しかし存在してしまう以上、『ファッション性が求められる職場』では、当然選ばれるわけです。
選択肢は多い方が、自分が選ぶ分にはメリットになります。
国籍なんかも、沢山持っていた方が選挙権など多くの権利が得られてメリットがあります。
でも、そういうのって往々にしてデメリットも大きくなるのです。
アメリカ国籍を持っていたら、納税など余計な義務が付きまといます。
権利には義務がつきもので、決して良い事ばかりではありません。
良いとこどりをしようとしている人もいますが、なんだかんだとデメリットから逃れられません。
選べるというのは、選ばれるという部分もあり、どうしてもデメリットが付いてくるものなのです。
今回のこの問題を解決する最高の方法は、『パンプスを超えるファッション性を持ち、足も痛くならない靴を開発し、パンプスに置き換わる事』です。
これなら選択肢も確保でき、選ばれる側となってもデメリットはほぼ無くなりますね。
それでもデメリットは残りますよ。
本当は運動靴が良いと思っていてもそれは選ばれませんし、もしかしたら値段が高いかもしれません。
選択肢があるというメリットは、選ばれてしまうというデメリットを常に持っているのです。
風潮を簡単に変えられたら、そりゃそれに越した事はないのでしょうね。
でも人々の心に刻まれたものを変えるのは、そう簡単じゃないんですよ。
まあ今回のこの話なら、或いは変えられるかもしれませんから、大大的にマスコミがメッセージを発したら行ける可能性は高いとは思います。
でも、私のように『スーツを着るのを強制しないでくれ』ってのは難しいでしょうね。
完全に人々の意識に浸透していますから。
刺青って法律では禁止されていませんよね?
でも日本では『刺青はファッション』だと言ってもなかなか受け入れられません。
そうだと言葉で理解はしていても、刺青を見ると『怖い』と感じたりするわけです。
ヤクザがする事だと思ってしまうのです。
お葬式での恰好は、ある程度みんなにイメージとして植え付けられています。
少なくとも運動靴だと『何この人?』って思われる所もあるのです。
その感覚を無くしてしまうには、相応の宣伝と時間がかかるでしょう。
最後は伝えたかった事から少し話がそれましたが、選択肢が増えるのはメリットばかりではないという話です。
『選択肢が増えれば選ばれる事もある』や『権利には義務が付きも』なんて事以外にも、選択肢が増えればまた別のデメリットが増える事もあります。
『手を組む友好国が増えれば友好国を敵に回さなければならない事もある』とか、『メニューを増やせば経費がかかる』なんてのもありますね。
違うようで全部同じ、『選択肢が増えればデメリットも増える』なんですよ。
今日はそんなお話でした。