舩後さんと木村さん、無事登院しましたね。
11時のニュースで知り、その後の事は知りませんが、とにかくまずは良かったです。
さてしかし、これから仕事中の障碍者支援について国会で訴えるという話を聞き、まあ難しいのではないか、或いは止めておいた方がいいのではないかと思ったので、今回もその話をします。
仕事中の支援ができないという記事は前にも書いていますが、今日は更に掘り下げて書きたいと思います。
れいわ新選組の議員が国会に出られないと発言した事で、参院は介助費用の負担を決定しました!これに関しての私の意見です!
過去記事は上記リンク記事からリンクがありますので、そちらをご覧ください。
さて、まずこの議論をする前に大切な事を話しておきたいと思います。
まず、法律をつくるにあたっては、予算をどうするのか、人員をどうするのか、不正ができないどういうシステムでどう運営していくのか、という部分が大切になります。
これら全てが揃って始めて法律が制定できるわけです。
そして今回の法律でのポイントとして抑えておきたいのが、健常者を雇うよりも、障碍者を雇った方が会社として得になる、という事は有ってはいけません。
それは逆差別になりますからね。
当然健常者は納得しないでしょう。
理想としては、どちらを雇うと会社にとってメリットがあるか、最終的には能力、やる気、人柄などを考えて公平に決められるレベルにする事です。
まあそこまではおそらく無理だと考えますが、できるのならそれが理想ですね。
それで最初に考えるのが、今既にある障碍者雇用の法律です。
現在企業は障碍者を雇う事を義務付けられ、それに対して補助金が出ています。
その補助金によって、企業は障碍者の介助や仕事のサポートをする事になります。
しかしもしも障碍者を直接国が介助サポートする事になれば、当然補助金は払えません。
二重どりになりますからね。
この議論をする場合、当然補助金に関しては白紙となります。
更に、介助サポートが100%ともなれば、仕事内容や障碍レベルにもよりますが、その時点で健常者と同等に仕事ができる人が大勢いるはずです。
障碍者を必ず雇わなければならないという法律も一端白紙にする必要があるでしょう。
それらの前提を抑えて、ではどういう法制度が考えられるでしょうか。
まず、国が人員を確保組織し、必要に応じて人員を派遣するというやり方が考えられます。
しかしこの場合、全ての人の仕事に合わせたり、当然人手不足や派遣ができないなんて事も出てくるでしょう。
十分な人を確保したら、今度は仕事がなく予算が無駄になる可能性もあり、非効率です。
予算も馬鹿になりませんが、それだけの人員確保も難しいでしょう。
となると当然、介助サポートの人員は会社、或いは自らで用意する事になります。
そうすると、不正は十分に考えられます。
過剰サポートも可能です。
以前にも書きましたが、極端な例を言えば、山に紅葉を採りに行き、それを料亭に売る仕事をするとしましょう。
舩後さんのような障碍を持つ人なら、ヘリや自動車、介護者に運ぶ人もいるでしょう。
代わりに紅葉を拾う人も必要になります。
当然ですがこんなサポートはできません。
不正という面でも、例えば友人の会社が舩後氏を雇い、記事を書く仕事をしてもらうとして、移動補助、介護、 キーボードを代わりに打つ人も必要ですね。
2名いたらいいのでしょうか。
3名必要でしょうか。
何にしてもそれを会社が雇い、後で国からお金を貰うとして、もうこの際だから全部社員に分担して受け持ってもらえば、3名60万円国から貰い、介助系の仕事以外も普通の社員として働いてもらえば、概ね会社は(60万円-舩後氏への給料)得する事になります。
こういう不正は簡単にできます。
更にそうなるとむしろ障碍者を雇った方が得する事になり、健常者との公平な競争ができません。
最初に書いた通り、不正ができてしまったら駄目な理由はココにもあります。
介助支援するにしても上限は必要になりますし、どの部分で支援するかも考える必要があるでしょう。
ちなみに現在登院しておられる舩後さんは、おそらく全てに介助サポートが必要かと思います。
移動も、仕事も、健康管理も必要です。
ここまでのサポートをするとして、不正が起こらない法運営はできるでしょうか。
何処までサポートすれば健常者と吊りあうレベルになるのか、それぞれチェックができるでしょうか。
結局の所、全てはサポートしづらく、また、上限もそんなに高くは設定できないのです。
そういう意味で、今の障碍者雇用の法律はよくできていますよ。
しっかり議論されたんでしょうね。
不正ができないように上限は決められていますし、それでいて障碍者を雇っても健常者から文句が出るレベルではありません。
ほぼ補助金分得をする企業も出てくるかもしれませんが、まあこれが法人税減税と考えるのなら、可愛いもんでしょう。
そんなわけで正直な所、できるだけの事を考えても難しいかと思います。
それにですね、仕事は遊びじゃないんですよ。
企業としても個人としても利益が出ないと駄目なんです。
本当は国としても、賭けた税金以上に納税額が増えないと意味がないんです。
山本太郎氏は、生産性で人を判断させない、なんて言っておられるようですが、仕事は生産性で判断しなければなりません。
100万円使って1万円しか稼げない仕事は成立しないのです。
マイナス生産して足を引っ張られても困ります。
本来仕事中に障碍者支援をするのなら、納税額まで減額、或いは免除という辺りが妥当です。
それ以上は国家にとってはマイナスになる可能性があるのです。
それでも障碍者に少しでも良い人生を歩んでもらいたいという気持ちから支援するわけです。
国家予算にある余裕の範囲内でやるのが望ましいのです。
なんにしても、国による直接援助となると、今よりも状況が悪くなる可能性もあります。
障碍者を雇う企業を支援し、企業が障碍者を支援するやり方の方がいいのではないでしょうか。
また、私は税金での支援に反対しております。
募金がしやすい環境を作り、障碍者を直接国民が支援できる方が、税金を納めるよりもよっぽど国民は納得してお金を出すでしょう。
その方法も以前の記事に書いています。
そちらをご覧ください。
昨日の記事でも書きましたが、障碍者支援は、まずはできる範囲でのバリアフリー化。
そして後は義手義足の開発、或いは障碍そのものを治す為の研究費に使うべきだと思うのです。
私の身内にも障碍者がいますが、何よりも障碍を治す事を望んでいるのです。
IPS細胞も研究が進んでいます。
そういう研究を後押しする事が、本当の障碍者支援なのではないでしょうか。
私の身内が生きている間に、しっかりとした再生医療が確立すれば、喜ぶでしょうね。
それで全て満足すると思いますよ。
是非、国家に負担になる方向で考えるのではなく、もっと前向きな話になってほしいなと思います。