北朝鮮とアメリカは、今にも戦争しそうな雰囲気になっています。
もちろん戦争となると日本も参戦する事になるでしょう。
日本のどこかにミサイルを撃ち込まれる可能性だってあります。
とはいえ、平和ボケした多くの人は、そんな事はあり得ないと思っていますけれどね。
とにかく多くの人はそんな事はないと思いながらも、ただ可能性はゼロではないので不安を感じていると言ったところでしょうか。
そんな中、日本の円が買われて高くなっているようです。
日本が戦争に巻き込まれそうなのに、どうして円が高くなるのか疑問に思う人も大勢いるようなので、ちょっと私の考えを書きたいと思います。
先に言っておきます。
プロの方が違う見解を記事にしているのでそちらもアップしておきます。
北暴走で円高になるワケ 市場で指摘される地政学リスクの正体は「条件反射」と「お祭り」
まず、日本が戦争に巻き込まれ攻撃を受ければ、日本の経済はボロボロになり円の価値は暴落すると予想されます。
ただ一時的には、或いは状況によっては円が高騰する可能性もあるのです。
理由は、円キャリートレードです。
円キャリートレードとは、金利の安い円を借りて、金利の高い外国で投資する事で利益を上げる方法です。
例えば金利1%の円を借りたとしましょう。
それをドルに交換して金利3%の金融商品に投資するのです。
ドル円の為替相場が変わらなければ、期限を迎えれば2%の儲けになるわけです。
そういった投資を行っている人は世界に沢山います。
さて北朝鮮有事となったとして、円の価値はどうなるでしょうか。
最初に言った通り、大きな被害を受けたら円は暴落する可能性がります。
しかし少しくらいの被害、或いは被害を受けなかった場合、円は上がる可能性もあるのです。
理由は、戦争をするとして中心となる国は日本に限らないからです。
韓国と北朝鮮という図式、或いはアメリカと北朝鮮となれば、日本の物が売れる可能性があります。
朝鮮戦争の時に日本はかなり儲けましたよね。
さらにそれが無くとも、円が高くなる可能性はあります。
戦争となれば日本国内で多くの円が必要になってきます。
すると、海外に膨大な資産を持つ日本は、それを売って円に交換する事になるのです。
そうなると当然円高になります。
このように、円が暴落する可能性もあれば、高騰する可能性もあるのです。
つまりどうなるのか分からないから、リスク回避の為に借りている円を返しておこうとするのです。
これを円キャリートレードの巻き戻しと言います。
もちろん、投資する人はこういった事も知っていますから、先回りして円を買っている人もいるでしょう。
円というのは安全資産と言うよりは、実は『強い資産』でもあります。
日本の経済というのは、実際に何かを生み出しているという意味ではおそらくナンバーワンに近いです。
そして日本円は、日本人が貯め込む性格の為か、とにかく流通量が足りません。
だから海外で儲けたお金を日本円にしようと思っても、なかなか数が足りない状況なのです。
下手に交換しようものなら、円が高騰してしまって、海外資産の価値が下がる事になります。
故に海外に資産を持っている人も、円にはなかなか交換しづらいのです。
もしも日本が本気で海外資産を引き上げて日本で使おうとしたならば、円の価値はもっと高くなるでしょう。
実は円の価値って、本当はもっと高くても当然なんですよね。
ただ金利が安いから投資価値が無く、普段はそれでバランスがとれています。
でも、ひとたび何か事が起これば、円はまず高くなって当然なのです。
これはある程度の生産力が日本にある場合の話で、当然生産力を奪われるほどの惨事になれば、円は暴落する事になるかもしれません。
何にせよ、今は円キャリートレードの巻き戻しが起こっていると考えていいでしょう。